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5.咬合誘導の診断(共通言語)

文献考察
1.矯正診断の系統化:宮原 熙、日矯歯誌、31:1〜21、1972 
2.プロフィトの現代歯科矯正学:高田健治訳、クインテッセンス出版、1989
3.診断工学:藤沢正輝、医学書院、1967
4.小児のための歯科診療:深田英朗、学建書院、1980、第四章 発育の診査および診断
A.情報の収集
1. 診察(問診)…質問表と対面調査
1. 医科・歯科の既往歴、家族歴
2. 全身の成長・発育の診査
3. 心理的・社会行動学的診査
2. 臨床診査…検査項目の決定
1. 顔の形態に関する診査
2. 口腔内の健康状態の診査
3. 顎・咬合機能の診査
3. 検査と検査結果の分析
1. 模型分析
2. レントゲン分析
3. 顎・咬合機能の検査


共通言語
咬合誘導を進めるにあたり、長期管理の必要性と共通言語(咬合誘導の診断)の確立・実践が必要と思われます。


記録の重要性
1. 診断の正確性を向上
2. 治療の質の評価を客観的に
3. 講演、発表での意見交換
4. 将来の保険導入に備えて
5. 医療苦情・事故の処理対策
6. ・・・・・・・・・・・


1.診察(問診)
1.医科・歯科の既往歴、家族歴
外傷キット
受傷直後
1年後
2年後

上顎第一大臼歯の外傷性脱臼
左右側の臼歯部にレジンブロックの副木を作り、経過観察を行った

歯や顎骨の外傷歴:下顎頭への障害による成長の低下と顔面の非対称


2.全身の成長・発育の診査
身長の年間増加量と初潮との関係

骨成熟指標
拇指末節骨の骨化癒合現象
epiphysisの厚径がdiaphysisより大きく、癒合が3/4以上進んだ状態

歴年齢を基準とした下顎骨長(Ar-Me)の成長変化
Stage E4期の前後2年間の変化


3.心理的・社会行動学的診査
治療に対する患児の協力度と非協力度
外的動機づけ

矯正治療
内的動機づけ

咬合誘導
インフォームド・コンセント

セカンドオピニオン

インフォームド・チョイス

協力度
1.性格
2.家族の絆
3.リコールの実績
4.プラークコントロール指導から
5.歯肉・歯周組織の状態
6.カリエス活性度
7.咬合誘導に対する興味
8.時間割


協力度の分類
1. 軽度の協力:
アポイントを守る
プラークコントロールとモチベーションの実践(固定式装置)
2. 中等度の協力:
一日数時間〜半日の間、可撤式装置や固定式装置の補助的装置を装着する
3. 最高度の協力:
一日中、機能的顎矯正装置を装着して、骨格性の改善を計る