問題提起-1
1. |
骨格性下顎前突症であっても、積極的に早期治療を行えば治療完了できるといった考え方もある。
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1. |
しかし、真性の骨格性下顎前突症は早期よりアプローチしても、成長・発育により再発もしくは、治療困難となるのではないか?
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問題提起-2
2. |
歯槽性もしくは機能的な反対咬合を放置すると、骨格性の下顎前突症に移行するといった考え方もある。
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2. |
しかし、真性の下顎前突症が初診時において、正確に診断されなかったためであって、遺伝的な素質は矯正治療によって左右できないのではないか?
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問題提起-3
3. |
歯牙年齢IIAからIIIA期の横断的資料に基づいた的確な矯正診断は可能か?
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3. |
初診時だけの静的診断ではなく、類似した治療を同期間行った症例の動的変化を縦断的に調査することにより、鑑別診断の指標が求められるのではないか?
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調査の目的
混合歯列前期の反対咬合の患者に対し、被蓋改善のために上顎歯列弓の急速拡大装置と上顎前方牽引装置を使用した症例の治療評価を基にして鑑別診断の可能性について調査すること。
使用装置の概略
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本症例で使用した急速拡大装置(レジンブロック製咬合面被覆固定型)と上顎前方牽引装置(フレームタイプ)の写真。
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資料
本研究の対象は平成元年以降に当医院を受診した6歳から9歳までの、男児・女児合わせて40名の反対咬合者で、セファログラムや口腔模型、装置装着等の記録用紙が揃っている場合とした。
資料採得の時期
調査方法-1
混合歯列前期の反対咬合者に対し診断の結果、上顎歯列弓の急速拡大装置と上顎前方牽引装置による被蓋改善を試み、その後歯牙年齢IIIB期まで経過観察を行った。それら症例毎の、初診時、急速拡大装置と上顎前方牽引装置撤去直後、および、約1〜2年後の咬合安定時期の3時点の模型分析所見やオクルーザルX線写真、装置使用時間表等を比較検討した。
調査方法-2
初診時・急速拡大装置、上顎前方牽引装置撤去直後・約1、2年後の咬合安定時期の3時点におけるセファログラムを用い、咬合安定時期の咬合状態が正常被蓋のものN群、反対被蓋のものをR群として、距離計測と角度計測を行なって、比較検討した。
N群
咬合安定時期の咬合状態が正常被蓋のもの
R群
咬合安定時期の咬合状態が正常被蓋のもの
調査結果-1
1. |
急速拡大装置による側方拡大量は平均3.19mm
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2. |
上顎前方牽引装置の平均使用期間は5.71か月
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3. |
一日平均使用時間は10.51時間/日であった。
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4. |
被蓋改善のための、早期治療の結果、
(1) |
上顎永久前歯の反対被蓋が改善された症例
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(2) |
切端位にあって不安定な症例
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(3) |
一旦正常被蓋が獲得されるも後戻りして、また反対被蓋となる症例
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(4) |
治療期間中に一度も正常被蓋が獲得出来なかった症例の4類型に分類できた。
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