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参考図書
1.後藤滋巳、不破裕司:拇指吸引癖を伴う強度な乳歯列上顎前突の早期治療について、小児歯科学雑誌、32(5)、1165-1172、1994.
2.滝本和男ら:弄指癖を原因とする開咬の1症例、日矯歯誌、20:82-87、1961.
3.河田照茂ら:不良習癖と不正咬合に関する実験的研究、日矯歯誌30:18-24、1971.
4.Graber, T.M. : Thumb- and finger-sucking, Am. J. Orthod., 45 : 256-264,1959.
5.Kaplan, M.: A note on the psychological implications of thumb- and finger-sucking, J. Pediat., 37 : 555-560, 1950.
6.Traisman,A.S. and H.s.: Thumb- and finger-sucking : A study of 2,650 infants and children , J. Pediat., 52 :566-572, 1958.
7.池見酉次郎監修、:口腔心身医学臨床講座 第 II 巻 診断・治療編、書林、東京、1989、 519-526
2.指しゃぶりを科学する

 
It's just a habit
「指しゃぶり」は、本来ちょっとした癖です。
しかし、「指しゃぶり」は歯科医にとっては、立派な悪習癖です。

 
親や小児科医と共通の価値観を持つためには?

新聞の特集記事
特集:歯並びの大切さ
「指しゃぶり」は悪習癖!?


朝日新聞「声」
『「指しゃぶり」は悪習癖で、放っておくと歯並びが悪くなり、それは母親の責任です。』 と先日の特集記事にありましたが、長女の「指しゃぶり」が止まりません、歯並びが悪くなるのはかわいそうなので、心配しています。


「口腔習癖の実態調査」
調査対象:
当医院に来院中の1〜6歳児
資 料 :
「くせ」の調査
アンケート用紙
質問数は57項目
資料数 :
406名分の調査用紙
男子206名 女子200名


口腔習癖実態調査の結果
1. 口腔習癖の有無  有:75.1%  無:24.9%
2. 口腔習癖の種類と割合


年齢別の吸指癖の割合

3.年齢分布:
1歳児42.9% 2歳児26.1% 3歳児45.1%
4歳児22.2% 5歳児24.3% 6歳児22.8%


母親就業の有無と兄弟による比較
4.母親就業の有無:
有職21.2% 無職28.5%
5.兄弟の有無:
兄姉26.9% 妹弟25.6% 一人っ子25.0%


哺乳状態と吸指癖の有無
6.授乳時間:
吸指癖有 決定38.9% 決定+@50.0% 不定11.1%
吸指癖無 決定19.9% 決定+@63.8% 不定16.3%


1.吸指癖発現時期
現在、吸指癖のある乳幼児(107名)の調査結果


2.手指の種類

現在、吸指癖のある乳幼児(107名)の調査結果


3.親の吸指癖に対する考え

子供の指しゃぶりで一番気になることは?

指しゃぶりは止めさせたほうが良いか?

いつまでに止めさせたほうが良いか?


4.吸指癖による変化

現在、吸指癖のある乳幼児(107名)の調査結果


5.止めさせるための工夫

現在、吸指癖のある乳幼児(107名)の調査結果


口腔習癖実態調査の考察
1. 口腔習癖をもつ者は75.1%と高率
2. 吸指癖をもつ者は男子40.2%、女子59.8%
3. 哺乳状態の比較より、スキンシップの足りない乳幼児に吸指癖が多いと考えられる
4. 家庭環境による明確な相違は認められない
5. 習癖の中止はスキンシップによる解決を計る
6. 家族の人は異常嚥下癖等の機能的変化には気がついていない


咀嚼システム

「指しゃぶり」の背景にあるものは何か?
1. 離乳のすすめ方と摂食機能の発達
口唇食べ、舌食べ、歯ぐき食べ、乳歯食べ、咀嚼能力の獲得
2. 健やかな育児
コミュニケーション、スキンシップ